お寿司屋さんでお茶を「あがり」というのはなぜ？

お寿司屋さんへ行くとお茶を「あがり一丁」とお店の方が声出ししているのを聞いたことはありませんか。お茶をあがりと呼ぶ由来は、花柳界からきたと言われています。花柳界ではお客が寄らず暇な時を「お茶をひく」と言い、これはお客がいないとき芸妓たちはお茶をひく仕事をしていたことから由来しています。どうにも縁起の悪い「お茶」という言葉を、「お客が上がる」という意味から「あがり」に転じたのです。実はお寿司と共にあがりを出すことは、とても理にかなった組み合わせです。お茶に含まれるカテキンには抗菌作用があり、生モノのお寿司に殺菌の役割をしてくれます。お茶にはビタミンCが含まれており、お寿司に不足しがちな栄養素を補給してくれます。食前に緑茶をいただけば胃腸を温めて、食中は血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。かわって食後にほうじ茶がだされることもありますが、これはお店側の細やかな心づかいです。ほうじ茶は胃腸に負担をかけず消化吸収の妨げになりません。美味しいお寿司を食べたあとは、すっきりとした爽やかなほうじ茶で心地よい余韻を楽しみましょう。