理容室の目印、三色のサインポールの秘密

理容室のイメージカラーといえば、赤・白・青の三色カラー。これはお店の前にある目印、くるくる回る縞模様のサインポールからですよね。明治時代、日本ではこのサインポールは有平棒と呼ばれていました。由来は安土桃山時代、ポルトガルから伝来した砂糖菓子有平棒に似ていたことからです。このサインポールの３色は、イギリスなど一部の国では２色（赤と白）のところもありますが、世界共通です。実はこの３色の意味には意外な由来があります。
中世ヨーロッパの時代、髪やヒゲを整える理容業は外科も兼ねていました。当時の治療方法に瀉血（しゃけつ）という治療方法があり、これは悪い血を抜いて病気を治すという治療です。治療方法は、患者に赤く塗られた棒を握らせて、そこに血を伝わらせる処置を施します。血を抜いているのです。治療が終わった後のこと、傷口に巻いた白い包帯を店先に干していたところ、処置で使った赤い棒に白い包帯が巻き付いた様子から、今のサインポールになったそうです。でも青色は？　と言いますと、1700年代にフランス、英国で理容と外科医が区別され、理容は青を加えた青、外科医は赤白に定められました。もともとのカラーであった赤・白に青が加わり、理容師のカラーは今でも見られる赤・白・青になったと言われています。