今注目されている漢方とは？

漢方とは中国から伝わった医学ですが、実際は日本人向けにアレンジした、いわば日本人向けに進化したものが現在の漢方となっています。なので、本場中国では驚くことに漢方というものはありません。そんな日本で独自の進化をした漢方ですが、その本来の考え方は、「人間はこの大きな自然のごく一部である」という考え方です。要はこの大自然も人も基本的には同じであり、それぞれ連動しているということを表しています。なので、皆さんが馴染みのある西洋医学とは異なり、部分的な見方や判断によって治療は行いません。病気を診るのではなく、病気になった人を診るので、病気になった原因や実際の症状、その人が持っている体質など全てを考慮した上で治療を行っていきます。 しばしば西洋医学と比較されますが、西洋医学は一言で言うと、悪い箇所のみを治療するという考え方です。イメージで言うと、悪くなった部品を取り替えたり、その部品を修理したりするのに似ています。治療に即効性があることが利点となりますが、現在では部分修理だけでは対応できないケースも増えてきました。例えば生活習慣病や慢性疾患などは、その人の生活習慣やストレスが原因になっていることが多いので、部分治療の西洋医学のみでは治療が厳しい場合もあります。反面、漢方では体質や生活習慣など全部を見て、その人の生活バランスを整えていくので、時間は掛かりますが効果もその分あります。昨今漢方が改めて注目されているのは、この様な時代背景が影響しているのも関係しています。また漢方で使用される漢方薬は、基本的に2種類以上の生薬を組合せて作られているのが一般的です。生薬とは自然素材のことで、漢方ではこの生薬を乾燥させたり、蒸したり、あるいは塩水に漬けておくなどして利用しています。なので漢方は自然界にある素材で作られていますが、時々民間で販売されている薬と併用している方がいらっしゃいますが、それは避けましょう。なぜなら作り方から全く異なっているので、組み合わせによっては相互作用を起こす場合もありますので、もし利用したい場合は一度病院などで医師に相談しましょう。