飼い主の思い込みは危険？

犬を飼っている人からみればペットは家族同然であり、人によっては家族以上の存在として大切に育てられています。しかし、大切にするあまり、実は飼い主が愛犬に行なっている行動が逆に愛犬を苦しめてしまう場合もあります。その理由には大きく分けて２つあると考えられています。１つは「愛犬を擬人化」してしまうということ。もう一つは「飼い主の偏った知識や思い込みで犬と接してしまう」ということです。 擬人化というのは文字通り、犬を人間と同じように接してしまうということです。一見すると良さそうですが、実はそうではありません。犬を人と同様に考えてしまうので、人にとって良いことは全て犬にも良いと思ってなんでも取り入れてしまうことがありますが、そもそも人間と犬は体の作りから行動まで異なります。例えば、野菜を沢山食べることは人間にとって良いと考えられていますが、これをそのまま犬に取り入れてしまうと問題があります。もともと犬は肉食動物なので、野菜を食べすぎると便が緩くなり体調を崩してしまうのです。まずは犬と人間は違うということを理解し、その上でなにが愛犬にとってベストなのかを考えることが重要です。また飼い主の偏った知識や思い込みで行動してしまうことですが、一番多いのは何に対しても「足す」という行動を取る傾向があります。例えば、愛犬が嘔吐を繰り返し、食欲がなくなってきたと仮定すると、食べない＝やせて体力が無くなるので、無理やり食べものを与えます。なぜ嘔吐を繰り返しているのかという問題よりも、その先の「食べない」という行動に注目してしまいます。動物は食べること＝生きることと本能で知っているので、与えられれば食べますが、結果的に嘔吐や下痢といった辛い経験になってしまうので、食べることが辛いことと認識されてしまうと、食が細くなり、また別の病気に繋がる可能性が高まります。飼い主の思い込みで行動することは愛犬に負担を掛けてしまう場合もありますので、まずは自分の思い込みを疑ってみることが大切です。